どーも、松井(@zumenjuku)です。
お仕事としてやっている風営業務の流れや注意点、ポイントをまとめました。
行政書士先生から図面作成の依頼
行政書士先生から事前に情報を聞く。具体的には次の内容を聞きます。
- 店舗物件の所在地、建物名、部屋番号(〇階〇号室など)、前店舗の看板等の目印
- 店舗物件の広さ
- 業種(社交飲食店、特定遊興飲食店、麻雀店、デリヘルなど)
- 店舗物件の状態(スケルトン、居抜き)
- 店舗物件の内装工事をする予定があるか?
- 店舗物件を計測可能な日時と図面納品の希望日時
上記の内容がすべて決定している場合もあれば、その都度、後から連絡頂くケースもあり、ケースバイケースです。
事前調査

行政書士先生からの情報をもとに次の内容をチェックします。
- 店舗物件の場所をGoogleマップで確認
- 店舗物件の都市計画法上の用途地域の確認(商業地域、近隣商業地域など)
- 店舗物件の周辺の風営法の保全対象施設をGoogleマップ等で調べる(ネット調査)

店舗物件の内部確認とお見積り
行政書士先生と一緒に店舗物件の内装レイアウトを確認する。もちろん、私一人で訪問する場合もあります。
- 内装レイアウトや家具の状態、内装工事スケジュールを考えて、店内の寸法取りの時期を提案します。
- 風営法の図面納品までのスケジュールとお見積りを提案します。
原則、WEBサイトに掲載してるお見積りになります。しかし内装工事で寸法取りが複数回になる場合や急ぎの場合などは、作図から図面納品までのスケジュールが変わるので別途お見積りします。

秘密保持業務受託契約NDA

行政書士先生が図面納品スケジュールとお見積り等に納得いただけた場合に限り契約します。ご納得いただけない場合は、一切費用頂きません。
- 原則、図面納品までの変更1回、納品後、実査(内検)で差替え指示の変更1回を含みます。
- 図面納品の時期(寸法取り後何日以内など)、業務受託費の支払時期、支払方法など

店舗の計測
店舗の計測はお店の方や行政書士先生と一緒に行うこともあれば、私一人で計測することもあります。
お店の経営者や行政書士先生とスケジュールが合わなければ、キーボックスに鍵を用意していただいて、私一人で計測することもあります。
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店内の計測のポイントは、作図に必要な寸法(数値)だけを測ります。
計測道具は次の2つ。
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私のやり方は、コピー用紙にフリクション(こすると消えるペン)で間取りと寸法をメモ取りします。壁やカウンターは黒色、寸法は赤色でメモメモ…
汚く書き殴っても自分が分かればいいのです(^-^;
こんな感じ↓
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照明の種類と位置、テーブルやイス等のサイズと配置をメモ取りする

コピー用紙にフリクション(こすると消えるペン)で照明の種類と位置を記号でメモ取り。
テーブルやイス等も配置をメモ取り、そしてサイズもメモ取り
もう一度書きますが、自分が分かれば汚く書いても問題ありません。
こんな感じ↓
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店内の明るさをチェックする
照度計でテーブル面、カウンター面、座面などの明るさが風営法の基準値以上であるか確認する。
店内のチェックポイント
計測の際に店内状況、内装レイアウトで関係法令(風営法、食品衛生法、建築基準法、消防法など)で”指摘受ける点””指摘を受ける可能性がある点”を行政書士先生に伝えます。これは秘密保持業務受託契約NDA後にお話します。
店舗ごとに様々なケースあります。
風営法の基準から修繕することが多い事項
- 照明設備をスライダックスから片切スイッチに変更する。
- 店内の見通しを妨げるパーテーションや間仕切りを撤去する。
- 客席の明るさを風営法で定める基準値以上にする。

食品衛生法の飲食店営業許可の基準から修繕することが多い事項
- キッチン出入口のドアの取り付け。
- L5シンクと水石鹸入れポンプの取り付け。
- 食器戸棚の扉の補修。
- トイレ手洗設備に固定の消毒液入れポンプの取り付け。

埼玉県や神奈川県内では、トイレ内だけでなく、客席側にも手洗設備の設置が必要になります。あと、2槽式シンクの蛇口が混合栓で大丈夫かどうか注意が必要です。
建築基準法と消防法の基準から問題になる事項
- 2方向避難経路の有無。
- 誘導灯、非常灯、煙感知器、火災報知器、消火器の有無。
- 排煙設備(排煙用窓や機械排煙)の有無。
- 非常用侵入口の確保。
- 店舗面積が100㎡を超える場合、用途の変更が必要になることも…。

店舗物件の契約前に重要事項説明の際に建築基準法と消防法の基準をクリアしているか確認したほうがよいでしょう。
作図(平面図、求積図、照明音響図、防音設備図など)
風営法の平面図は、一般的な建築図面とは別物です。
店舗の計測で寸法をメモ取りしたものを、CADで作図します。
もちろん手書きでも大丈夫ですけど、労力と時間がかなりかかります。
私は、労力と時間を短縮するためにAutoCAD LTを使っています。
CADの利点は、レイヤー(階層)機能が超便利。図面の修正、コピーが容易なこと、図面データは劣化しません。
ですから、変更承認(構造変更)の新旧の図面を作成する時の作業効率は、かなりあります。
AutoCAD LTのレイヤー(階層)機能をフル活用して作図します。
前の記事(店舗の計測)の寸法取りメモをCADで書くと次のようになります。
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図面納品
CADで引いた図面を印刷します。
私が使用しているプリンターはエプソン プリンター A3ノビ インクジェット PX-1004 (CD/DVDラベル印刷/ブラックインク2本搭載)
A3サイズでカラー印刷できるプリンターが必要になります。インクジェットで問題ありません。

例えば、フリーソフトのJw_cadで作図して、今持ってるA4プリンターで図面を印刷してみるとか、とにかくCADで作図して印刷までやってみる
作図&印刷する図面は次のとおり
- 営業所平面図
- 営業所求積図
- 客室求積図
- 照明音響図
- 防音設備図
- 各階テナント状況図・営業所フロア図
印刷した図面の納品方法は、行政書士先生にレターパックで郵送、或いは直接手渡し。
差替え図面納品
行政書士先生に図面納品して終了ではありません。
風俗営業許可申請は、警察と風俗環境浄化協会の担当者による内検(実査)で店内と図面のチェックがあります。
その検査で図面の修正指示がでた場合は、修正した図面を作成印刷して、再度、行政書士先生にレターパックで郵送、或いは直接手渡し。
以上、風営業務の図面作成の流れです。いかがでしたでしょうか?